㈱大阪ソーダ松山工場 匠の技教室 工業化学科2年 開催

2023年1月20日 16時50分

 1月20日(金)に工業化学科の実習室で匠の技教室が開催されました。

 株式会社大阪ソーダ松山工場より、本校卒業生の三島様、宮崎様をお招きし、イオン交換膜法によるカセイソーダの製造方法についての授業をしていただきました。

 はじめに、先日「工業化学」の授業で学習した水溶液の電気分解について復習をしました。食塩水を電気分解すると、陽極+では、陰イオンの塩化物イオンClが電子を放出して塩素ガスClが発生します。陰極-では、ナトリウムイオンNa近づいていきますが、水分子が分解して(HとOHとなって)、ナトリウムより電気陰性度の大きい水素のイオンHが電子を代わりに受け取り、水素ガスHが発生します。結果、溶液の中はClイオンが減ってOHイオンが増えていくので、カセイソーダ(NaOH)溶液となります。しかし、これでは、原料のNaClと混ざってしまっているので、純粋なNaOHを取り出すことができません。

 (株)大阪ソーダでは、陽イオン交換樹脂膜を使用し、イオン交換膜法で、ClとOHイオンが混ざらないように製造しています。また、電気代などが高騰する中、原料から電力、装置をはじめ、その他付随するコストを最小限に抑え、他社との競争に打ち勝ち、この松山の地でたくさんのカセイソーダを製造しています。(株)大阪ソーダでは、多くの本校卒業生が勤めておられ、その他の化学製品の製造にも従事しています。

 見ただけではただのプラスチック板のような陽イオン交換樹脂膜についての先端技術をはじめ、実際の製造に伴う多くの工程や、付随するカセイソーダ溶液の濃縮技術などについて、学校では分からないたくさんのことを教えていただきました。先輩からは、途中、生徒にクイズ形式で質問を投げかけていただいたり、学生時代のエピソードにも触れながら楽しく学ぶことができました。

 コロナ禍において、昨年は、工場見学や「匠の技教室」が中止となりましたが、今年度はこの「匠の技教室」やインターンシップを通じて、本学科で学習している内容を実際に体感させることができました。

  

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