日本のお家芸、競歩に挑む!!(陸上競技部)

2022年9月13日 20時27分

 皆さんは陸上競技の競歩をご存じでしょうか?走るのでもなく、跳ぶのでもなく、投げるのでもなく、「歩く」速さを競う種目です。一般では、50㎞や35㎞、20㎞などで大きな大会が行われ、特に男子は国際大会での上位入賞が近年多くなり、わが国のお家芸のひとつになりつつありますが、高校生は5000mが主戦場になります。

 基本的なルールとしては、①常にどちらかの足裏が地面に接していなくてはならず(ロス・オブ・コンタクト)、②踏み出した脚が地面についてから垂直になるまで、その脚は曲げてはならない(ベント・ニー)ことになっており、この歩形は審判の目視で判定されています。疑わしい場合は注意、違反が確認されるとレッドカード、レッドカードが3枚に累積されると失格になります。また、大きく歩形を乱すような無理なラストスパートを防ぐため、ラスト100mでは主任審判員が、累積されたレッドカードの数に関係なく、一発で失格にできる権限を持っています。

 したがって。「歩く」と言っても普通に歩くとベント・ニーの反則となるように、歩形が制限されているのでたいへん過酷な種目と言えます。

 そんな競歩で本校3年生の長田さんは、今年のインターハイ5000m競歩で優勝しました。彼は2年生のはじめに長距離種目から転向し、なんと競歩の競技歴わずか1年余りで頂点に上りました。高校生にはいろいろな可能性がある、ということを思わせる大会となりました。

 そのインターハイの決勝で長田さんは3000mからロングスパートで大きく後続を引き離しましたが、ラスト400mで本人曰く「たれフィニッシュ直前の長田さん 左の青い服が主任審判員で直後の選手にレッドカードが掲出されている。て」、後続の激しい追い上げを受け、彼から4番手選手までが5秒という僅差にまで詰め寄られますが、2番手の選手は3枚目のレッドカード、3番手の選手は一発失格となる壮絶なラスト100mを逃げ切ったレースでした。

 長田さんの現在のベストタイムは20分17秒98。これは愛媛県高校記録で1㎞を約4分4秒で進むペースで、42.195㎞のフルマラソンを3時間で「走り」切るペースが4分15秒/kmであることを考えると、いかに速く「歩いて」いるかが分かります。彼の次の目標は「20分切り」「とちぎ国体優勝」とのことです。

 

インターハイ決勝でフィニッシュ直前の長田さん左の青い服が主任審判員で直後の選手にレッドカードを掲出している。

 長田さん、陸上競技部に限らず、各部とも最高の成績を求めて頑張っています。引き続き松工の活動への応援をよろしくお願いいたします。

記事はありません。

記事はありません。